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生物学的理系クリップマーク

タイプ別理系診断~生物学的理系~(受験対策)

2020.7.29

このコラムの目次


今まで理系に関して、数学的理系・物理学的理系・化学的理系と考えてきました。今回はそのラスト、生物学的理系です。ではいつも通り、生物学がどのような学問であるかについて考えながら整理していきましょう。


生物学の特徴「観察と分類」


生物学というとどのようなイメージがあるでしょう。植物や動物についての研究、遺伝子研究、バイオテクノロジーなど様々な分野があり、物理学・化学同様、実験を伴います。しかし、生物学もまた、他とは性質が違います。ではそんな生物学の学問としての特徴は何か。それは大きく分けて2つです。1つ目は研究のメインが「観察」であること。2つ目は、生物学が「分類学」であるということです。

1.観察

生物学では研究対象の「観察」を行います。考えてみれば当然かもしれません。だって生物学で扱っているものって「生物」なんですから。物理学のように物体を扱うわけでもなく、化学のように薬品を扱うわけでもありません。命あるものを扱うのです。

それを他の学問の実験と同じように「たぶんこうなるはず!・・・あーダメか、、、次いこう次」という感覚でできるでしょうか。できるわけがありませんね。

生物学には他の理系タイプにはない倫理観、つまり優しさがあります。だからこそ、失敗前提の「実験」ではなく「観察」がメインで行われるわけです。もちろん実験も行いますが、それには十分な理論と十分な裏付けを備え、石橋を叩いて叩いて叩きすぎるくらい慎重に行われます。生物学は理系の中で最も人間的と言えるかもしれませんね。

2.分類学

生物学とは様々なグループに分けていく「分類学」です。何のために「観察」するのか。それは「分類」するためです。先程も書いた通り、生物学では命あるものを扱います。そこには当然、その種特有の傾向やその種ごとの個体差といったものが生まれます。分類が間違っていたから実験が失敗しましたとか、個体差があったから失敗しましたなんてことは避けなければなりません。それらを「観察」することで正確なグループに「分類」し、その上で実験を行うのです。

もちろん、実験をするためだけに分類するわけではありません。動物や植物の種ごとの傾向を知ることは、共存していくという意味でも大事なことです。個体差についてまでも観察し分類することは、例外という存在をなくす上でも大事なことです。今私たちの目の前で存在し、かつそれぞれがそれぞれとして生きているわけですから、それらを分類するということはとても意義があることなのです。

生物学は他の理系学問と比べると、他を思いやる心のようなものがありますね。そう考えると、理系女子が生物学科に集中するのも頷ける気がします。文系が感情的に、理系が理論的に物事をとらえると考えると、その中間ぐらいに生物学的理系は分類されるかもしれません。


生物学的理系の思考や性格


生物学は研究のメインが「観察」であり、生命を扱うので「優しさ」が生じ、理系と文系のちょうど中間くらいの存在だと書きましたが、さらに生物学的理系の性格を考えていきます。

今回も「問題にぶち当たった時にどう対処するか」ということから考えていきます。今まで同様「2x=6を解け」という問題が出たとしましょう。さて、どうしますか?

生物学的理系も化学的理系のように、例題から入ります。

「例題の『5x=10を解け』ならx=2なんだ。
次の『―3x=15』ならx=―5か、
ふむふむ。…
あー、そういうことね。
じゃあ2x=6はx=3か。
5x=―20はx=―4、
―2x=18はx=-9、
…ん?この『1/4x=-9』は?
えーと、解説解説…
あー、そういことね。
分数はかけ算なのか。
x=―36ね。
次の1/3x=4はx=12、
―1/5x=―4はx=20、
うん、オッケー」

化学的理系とは違いがありますね。化学的理系は

仮説⇒実験(演習)⇒新仮説

というように、自分なりの理論を持っていました。

しかし、生物学的理系は理論を立てることが他の理系と比べると不得意です。その代わり、問題を『分類』していきます。
「このタイプの問題はこう」「こっちのタイプの問題はこう」
と、1つ1つの問題を自分なりに分類していくのです。数学でこの勉強だと、どこかで行き詰ります。
なので、他の理系と比べると数学が苦手になりやすい傾向があるかもしれません。

しかしその代わり、暗記モノは理系の中ではトップクラスにできます。なぜか?それは、生物学的理系が量をこなすことに優れ、暗記内容をどんどん分類していくからです。暗記をするには、そもそも量をこなさなければなりません。

しかし、他の理系は量をこなすことがあまり好きではないのです。

数学的理系は「メンドいからやりたくない。」子供ですね。物理学的理系は「無意味。」こじらせてますね。化学的理系は「やればできる。」やればできます、やれば。

これに対して、分類することが好きな生物学的理系は「暗記するだけとか超楽じゃん!」となるのです。

生物学は観察がメインと書きました。当然、観察をしていても毎日毎日変化が起きるというわけではありません。観察は少しずつ微妙に変化していくこと、ずっと変化せずに時が来たら一気に変化することなど、様々です。つまり、観察するには忍耐力が必要になってくるわけです。そこに優れた生物学的理系には、暗記という作業は向いているのかもしれませんね。「頭を使うことはあまり好きではないけど、暗記は好き」という人は、生物学に向いていると言えます。

生物学的理系の特徴は『中途半端な理系』です。理系です。だから得意科目は理系科目です。でも苦手科目は数学・物理です。理系です。だから人の気持ちを読み取るのは苦手です。でも植物や動物の気持ちならわかるかもしれません。忍耐力が強いです。でも我慢強いわけではありません。他の人が苦痛と思う作業の中でも、楽しさを見つけ出すことができます。そんな自分のことを『変人』だと思っています。でも、だれかとわかりあいたいという気持ちも強いです。勉強は嫌いではありません。毎日毎日コツコツと勉強することもできます。宿題もちゃんとやります。テストでは安定した点数を取ります。ただ、数学・物理は勉強時間とテスト点数が比例しないことがあります。点数が取れないのは嫌いだからではなく、何を勉強すればいいかわからないからです。

理系なんだけど、理系になり切れない、そんな声が聞こえてきそうですね。理系的な面が大部分を占めているけど、文系的な面も持ち合わせているのが生物学的理系です。そんな自分に悩み、苦しみ、嫌になることもあるかもしれません。ですが、そう思えるのは生物学的理系だからこそです。自分のことを客観的に分類する一方で、人としての優しさも持っているからこそ、その狭間で悩むのです。生物学的理系は他の理系と比べ、人間味があります。だからこそ、文系には気付けないことに気付けるし、他の理系では感じ取れない感情を感じ取ることができるのです。

理系であるが、理系でありすぎない、それが生物学的理系の特徴と言えるのかもしれません。

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