「漢字を覚える~暗記ができないことはない!~」(発達障害)

2020.6.5
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  1. 「うちの子が漢字を覚えられないのはなぜなのだろう」

そういう疑問を持つ親御さんから「そもそも暗記ができないんじゃないかしら…。」という相談をよく受けます。

 

確かに、毎日自分の子供の状態(漢字を覚えようと取り組んではいるが全然覚えられない)を見ている親からすると、どうしてもそういうネガティブな気持ちになってしまいがちです。

「昨日あれだけ練習したのになんですぐに忘れるんだろう」

「自分が小さいころはこんなことで苦労しなかったのに」

「もしかして学習障害なのかしら」

「どうすれば覚えていられるようになるんだろう」

などなど、本当に心配して、考え、悩み抜き、一生懸命に原因、改善策、解決策を模索するわけです。

そして、えてして、そんな必死で悩む親の気持ちとは裏腹に、当の本人はやっつけ仕事のようにいやいや書きなぐるだけだったり、線が一本足りないまま同じ漢字を何度も書き続けたり、世の中に存在しない漢字を発明したり、「漢字など生きていくのに必要ない」と困った悟りを開いたりするのです。

ただ、これらの子供側の気持ちだったり主張だったりも、理解はしてあげるべきだと思います。どこかの場面で、先生やクラスメイト(または身内)から自分が書いた漢字に関して注意を受けたり、認めてもらえなかったり、バカにされたりして、自信を無くしてしまっている可能性だってあるわけですから。また、親が幼少時にやったことがある覚え方、例えば「漢字ドリルで何度も繰り返し書いて、漢字ノートにも何十回と書いて、書いて書いて覚える!」といったある意味根性論のような暗記法は、発達障害のような認知機能に偏りがある子供には適さないことも現代ではわかっています。わが子の気持ちを理解し、子供の特性に合った練習方法があればきっと今よりもうまくいく、という視点を持つことがまずはスタート地点だと考えてください。

 

私たちも、悩む親の気持ち・困っている子供の気持ち、どちらも理解できるからこそ、家庭教師として双方の気持ちに寄り添った伴奏者としてありたいと常々考えています。

そのような立場から、最初の疑問

「うちの子が漢字を覚えられないのはなぜなのだろう」

にお答えさせていただきます。

まず前提として知っていただきたいことは、日本には小学校低学年(2年生~3年生)で漢字を書くことに苦労している子供がものすごくたくさんいるという事実です。

小学校の国語の授業で行われるカラーテスト(表と裏の両方に問題がある横長のプリントです)でも、読解(教科書の本文の基本的な読み取り問題)のカラーテストはそこそこ点が取れるのに、漢字だけのカラーテストになると極端に点が下がる(50点中1ケタ点数とか)という子供がたくさんいます。

そして、その大半の子供が、漢字を書けないまま4年生、5年生、6年生と過ごし、そのまま中学生になってしまっています。

中学生にもなると反抗期真っ盛りで、そこから漢字の基礎をもう一度、と持っていくことはかなり厳しくなります。なかには「今の時代、スマホやタブレットがあるんだから漢字なんて変換すればオッケー。だから書けるようにならなくてもいい」と言い出したりもするわけです。(漢字の必要性の話は、他の先生が書きました、コラム「漢字の必要性」で紹介もしております)

だからこそ、漢字嫌いを治してあげられるのは小学校2年生~3年生がベスト、遅くとも4年生がギリギリのタイミングといえます。むしろその機会を逃すとなかなか難しいでしょう。

その低学年の時期に、それぞれの生徒にあった効率的な暗記の方法をしっかりと示してあげれば、漢字嫌いは克服できます。

大切なのは、何を、いつまでに、どのくらい、どのようにして、覚えるか、を教える側がきちんと決めてあげることです。

 

「何を」

もちろん「漢字」を、ですが、では漢字の何を、覚えられるようにしたいのでしょうか。

漢字を「読めるようにしたい」「書けるようにしたい」「意味がわかるようにしたい」のか、目的によっても勉強法が変わっていきます。

 

「いつまでに」「どのくらい」

今の学年が仮に5年生として、例えば

①中学に入るまでに小学校6年間の漢字を書けるようにしたい

②中学卒業(義務教育が終わるまで)に、小学4年生までの漢字をある程度書けるようにしたい

③大人になるまでに小学5年生までの熟語の読みと意味はわかるようにしたい

①②③では覚える量や学習法も異なってきます。

 

「どのようにして」

これが一番重要です。

もちろん「ひたすら書いて覚える」という方法はナンセンスです。

以下に小3で習う「意」という漢字を例にいくつか覚え方を挙げさせていただきます。

その前に、一番大切なことをお伝えします。

これから紹介するのは「覚え方」の「インプット」のほうであって、何かを覚えるには「アウトプット」のほうが重要になる、ということです。

「意」という漢字を覚えようとして、本当に覚えられたかどうか、つまり書けるようになったかどうかを手本を見ずに1回書いてみる、それがアウトプットです。

勉強が得意だった人からすると、「そんなのは当たり前だろう」と思われるかもしれません。しかし、漢字が覚えられない子供のなかには、

「僕は暗記ができない。周りの子は僕と違って漢字テストでたくさん書けている。きっとみんなは1回書いたら覚えられるんだ。僕は何度書いても覚えられない」

と考えていたりします。

「みんな何度も覚えられたかどうか、お手本の漢字を見ないで書いてみて、間違えて、また覚えて、見ずに書いてみて、を繰り返しているんだよ。家でそういう努力をしているんだよ」と話してあげて、とても驚く子供もいるわけです。

「えっ!?そんなのウソだ!」と信じてもらえないケースもありました。

子供だけでなく、お母様のなかにも、「そうなんですか!知らなかったです。私も暗記ができないタイプだったので子供もそうなんだと決めつけていました、、、アウトプットは確かにやらせていなかったです」とおっしゃる方もいるのです。

ですのでもう一度繰り返します。

インプット(覚えようと脳を使うこと)だけでは覚えられません。

アウトプット(覚えられたかどうかチェックすること)を繰り返して、ようやく1つの漢字を覚えられるようになります。

そしてアウトプットに最も効果的なのは、「テスト」です。(テストによるアウトプット法については、コラム「単語が覚えられない」で書かれています)

インプット:アウトプット=3:7の比率で取り組んでみてください。

 

では、覚え方の例です。

 

◯形を工夫して覚える(漢字たしざん)

漢字は多くのパーツから一つの文字が成り立っています。「意」という字は、「立」「日」「心」の3パーツから成り立っていますよね。この3つのパーツからこの漢字は成り立っている、ということを子どもによーく意識させ、「立つ~日~心~」など声に出させて練習すると、驚くほど書けるようになります。

 

○同じ部首の漢字でまとめて覚える

「意」という漢字の部首は「心」。「息」「悪」「思」「感」「悲」など、「心」、つまり気持ちや考えに関係する字をまとめて覚えると、すんなりと入ってきたりします。

 

○成り立ちを「絵」にして捉える

さきほどの部首に近い覚え方ですが、「心」の部分を心臓の絵にしたり、見てすぐにイメージできる方法で取り組むと、記憶として定着しやすくなります。

 

○クイズ形式を取り入れる

よく見ると線が一本足りなかったり多かったり、部首が違っていたりするような字を見て、間違い箇所を探すクイズです。形をよーく見ていくことで、うっかりミスを防げるようになります。

 

○色で分けて覚える

漢字の部品(「意」なら、「立」「日」「心」)ごとに色分けして覚えると理解しやすくなります。

 

○唱えて覚える

「てん、いち、ソ、、、」などのように一つ一つ口に出していくと耳から記憶しやすくなる暗記法です。

 

○生活の中に取り入れる

「意」という漢字の入った熟語を意識的に会話で使うようにしていくと、自然と頭の中で映像が繰り返され、覚えられるという方法です。

 

などなど、ほかにもいろいろありますが、どれが最も効果的な方法かは、子供一人ひとり異なります。そういった覚え方の適正を見つけてあげることも、わたしたちプロ家庭教師の仕事だと考えています。

 

 

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