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字?絵?クリップマーク

漢字の覚え方・書き方(発達障害)

2021.5.24

漢字が苦手!!

小学生の生徒に「学校の勉強で嫌いなのはなに?」と質問すると約80%の生徒は「算数!」または「漢字」と答えます。これまで私が担当してきた生徒もほとんどは算数か漢字、またはその両方が苦手だと感じている子でした。特に漢字は学校でもひたすらドリルを書く、ノートに書き写すなど単調になりがちなので勉強していてもつまらないという意識があるようです。

繰り返し書くことが苦痛

もちろん漢字を覚えるためにはある程度繰り返し書く事も必要ですが、発達障害(学習障害など)を持っている子供やWISC検査などの結果数値において得意不得意の差が顕著であるような子供の場合(例えば知覚推理や言語理解に比べてワーキングメモリーが著しく低い、処理速度が極めて低いといったような場合など)、何回も書く事が逆効果になる場合もあります。

小学校の集団授業のなかで一斉授業をしなければならない教師の立場からすると、クラスの全員に同じ指示(漢字の場合ですと「ひたすら何回も漢字を書かせる」といったような内容)を出すのも仕方のないことかもしれませんが、その指示(何回も漢字を書く)で漢字が書けるようになる子供はよいとして、私たちが日ごろ見ている子供は、

という状況で困り続けてきた子ばかりなので、皆と同じような「ひたすら書く」ことだけを繰り返してもいっこうに結果が出ず、むしろドンドン自信をなくしていってしまったりします。ではどのようにすれば漢字が書けるようになるのでしょうか。どうすれば覚えられるのでしょうか。そこには、一人ひとりの特性を踏まえた「書き方」「覚え方」が存在することを、教える側が理解しておかなければなりません。

一つの例として、発達障害やその周辺に位置している子供の場合、漢字を「字」(成り立ちがあって、部首があって、書き順があって、という理解)として捉えることが難しく「絵」や「図」のように捉えていることがあります。以前担当していた生徒さんにも漢字がうまく書けず覚えきれない子がいました。生徒のお母さんから学校のドリルでどうもうまく書けていない漢字があると相談を受け、うまく書けていなかった「中」という漢字を実際に生徒に書いてもらい確認してみました。するとその生徒は「中」という漢字を真ん中の線から書き、その右と左に四角を書く(図参照)

独特な書き順、絵として認識

という私たちが思いつかないような書き順で書いており、なるほど「中」の漢字が「たてぼう」に「しかく」がくっついているように見えている子もいるのかと気づかされました。そこで、その生徒さんには漢字がどういう形で組み合わされているか知ってもらうためにまず画数や書き順を一緒に覚えてもらうことから始めました。

「覚え方」漢字をゆびで書く

1.漢字をパーツごとに色分け

漢字をパーツごとに色分け,漢字を指でなぞり、書き順を覚える

まず最初に取り組んだのは漢字を色分けして、「パーツ」を一つ一つわかりやすく見分けてもらうことです。例えば、「中」という漢字は「しかく」に「たてぼう」をつきさす形、「天」という漢字は「よこぼう」に「大」がくっついている形というように色分けをしました。色分けをすることで、漢字がどのようなパーツを組み合わせてできているのか少しずつ自分一人で見てもわかるようになりました。この生徒さんの場合、WISC検査でPRI(知覚推理)とVCI(言語理解)などの数値に有意差がほとんど見られなかったのですが、眼球運動に難がありビジョントレーニングを数年してきた経験があったため、色や形、漢字の部品を意識しながら学習していくことに一定の効果が得られると予測していました。

2.漢字を指でなぞり、書き順を覚える

次に取り組んだのは漢字は一切書かず、漢字を指でなぞってもらい画数や書き順を手の動きで覚えてもらうことです。漢字が苦手な子は鉛筆で書く事に抵抗感を持っていることがあります。そこで、鉛筆ではなくまずは指から始めて抵抗感をなくしてもらいました。中には指を動かすことも嫌がる子もいますが、そんな時私は「じゃあ紙じゃなくて先生の背中に書いてみて!」と言い紙の上ではなく背中、手のひら、机、窓など色々な場所で練習してもらうようにしています。「お、これは○○って字かな?」「じゃあ次は先生が○○君の背中に書いてみようかな!」といったように楽しみながら手の動きを繰り返し練習してもらいました。手の動きを繰り返して練習するうちに自分から鉛筆を使って練習してくれるようになり、「空」や「赤」のように画数が多い漢字もスラスラと書けるようになりました。

他にも、「トメ」「ハネ」「ハライ」にとても厳しい教師が担任だった生徒さんで、筆ペンを使って書く練習をしたところ、細かいトメハネ等に注意がいくようになって、書くことを楽しむようになったケースもありました。

退屈になりがちな漢字の練習だからこそ、ただ書くだけではなく様々な方法を取り入れて楽しく練習できるよう心がけています。

これはあくまで一例であって、効果的な漢字の覚え方といってもいろいろあります。詳しくは「発達障害 漢字を覚える 暗記ができないことはない」のコラムにご紹介しておりますので、是非ご一読ください。

「漢字・言葉」関連コラム

「漢字・言葉」に関するコラムを抜粋しました。ぜひご覧ください。

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