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母の悩みクリップマーク

発達障害と中学受験(50%以上が中学受験を検討)(発達障害)

2023.7.29

目次

50%以上が中学受験を検討

プロ家庭教師のジャンプには、発達障害(グレーゾーンを含む)の様々な特性を持つ小学生の生徒さんが数多く在籍しています。首都圏においては、その中でも半数以上のご家庭が「私立中学受験」を考えていらっしゃいます。よく、「発達障害なのに中学受験?」と疑問を持たれる方もいらっしゃいますが、発達障害やその周辺に位置する子供を専門に指導している私たちの立場からすると、「発達障害だからこそ中学受験をするべき」と感じています。その理由はいくつかありますが、一番ポイントになることは、『学力のリセット』です。

発達障害だからこそ中学受験をするべき

中学受験というと、小4あたりから塾に通わせて日曜は模試があって夏休みは夏期講習、勉強合宿があって、お弁当を持たせて先生たちはハチマキ巻いて、毎日勉強毎日競争、、、というイメージを持っている方がいるかもしれません。

偏差値上位の私立難関中学を目指す場合はそういった必要も出てくるかもしれませんが、実は発達障害を持つなど特性に偏りのある子供に合った比較的入りやすい(入試問題が易しい)私立中も世の中にたくさんあるのです。特に東京、神奈川は発達障害やその周辺に位置する子供に合った私立の中学校がたくさんあります。(志望校選びについては、鎌田先生コラム『最適な環境』をお読みください)は

もちろん地元にある、歩いて通える公立中がダメというわけではありません。ただ、公立中にはものすごく勉強ができる子も、ものすごく勉強が苦手な子も、地区トップ校に行く子も通信制高校を目指す子も専門学校へ進む子も、みんなが同じ教室で同じ定期テスト、同じ宿題が課されるわけです。大量の提出物を期日までに出すことも評価の対象に入ります。そしてその集団の中でどのくらい到達できたか、5段階で評価されるわけです。要領良くそつなく勉強が出来る生徒、スポーツ万能な生徒にヤンチャ真っ盛りの生徒。いろんなカラーの子供たちで溢れているのが公立の中学校です。そういった環境に数年間居続ける、それがいかに発達障害の子供にとって大変なことか、、、本当に親も子も苦労されている場面を私たちはたくさん見てきています。

一方、私立の中学はどうでしょうか。私立中受験ですから当然『入試』があります。入試で合格をもらえた子供たちというのは、皆、同じような学力を持つ子供たちです。自分と同じくらいの学力の子供同士が思春期の大切な6年間を共に過ごせるわけですから、その環境面での特色を考慮すると、いかに私立中学が発達障害児に適しているかがご理解いただけるのではないでしょうか。

ですので、もし今、東京か神奈川に在住で、お子様が特性を抱えていて、公立の中学に進ませようとしているお母様がいれば、是非前向きに私立中学受験を検討してもらえたらいいなぁと思います。(ちなみに、お子様が女の子ならよりいっそう中学受験をおすすめします。なぜなら今後ますます高校募集をする女子校は減っていき、中学受験だけで早期囲い込みをはかろうとする私立の学校が増えていくからです)

発達障害でも伸びる体験授業

中学受験を目指す理由

では、ご家庭側の中学受験を目指す理由はどういったものでしょうか。

ジャンプに在籍する、私立中受験を考えているご家庭を対象に、平成27年に「中学受験を目指す理由」のアンケートを実施いたしました。そちらを集計したところ

といった理由が上位を占めておりました。

更にその「家庭教師で中学受験を目指す」ご家庭の中でも「塾からの切り替え」が実はかなりの割合を占めているのです。

あるいは個別塾の場合などでも、

等々、切り替えに至った事情は本当にいろいろあります。

そもそもの話として、塾は集団でも個別でも子供が一人で教室に向かうわけですから、親はどのような指導が実際に行われているか把握できないわけです。家に来てもらえる家庭教師なら、授業の様子も見たりできるという面でも安心してもらいやすいのかもしれません。

学習塾から家庭教師への切り替え

そしていろいろ検討した結果、親(特に母親)は「うちの子のような発達障害の特性を理解した指導をしてくれる家庭教師の会社はないのだろうか」と悩むのです。実際に悩んでいるお母様を私は何百人と見てきています。そういった悩みを抱え、療育センターや小児科に相談をしたりネットなどで検索をして「プロ家庭教師のジャンプ」にたどり着かれる方がここ数年間で急増しているのです。

専門性の高い家庭教師を求めるご家庭が急激に増えつつある社会的背景を受けて、母親の「他のご家庭はどういう過程で中学受験を決めたのだろうか」「どんな学校をどういう理由で選んだのだろうか」「どのような指導をプロ家庭教師のジャンプでは行っているのだろうか」といった疑問が本ブログ「発達障害と中学受験」を通して少しでも解消されれば幸いです。(以下実際の事例)

塾からの切り替え理由

K君日大系列志望

世田谷区 小学6年生のK君 志望校:日大系列中(2013年6月入会)ADHDの不注意優位(ADHD )の傾向

小6のK君は私立中学受験に向けて大手進学塾のEゼミナールに通っていました。小学校就学前に発達障害と言われており、母親いわく、「覚えてもすぐ忘れる」「整理整頓ができない」「集中力に欠ける」という特徴を持っているとのことでした。ADHDの不注意優位(ADHD )の傾向があると推測されます。そんなK君の入会前の状況は以下の通りです。

  • 宿題が全くわからない
  • 母親が一緒に付き添って手伝おうとするがお互い感情的になってしまい余計に本人もイライラする
  • このままでは塾に行かせても効果が期待できない、と焦り始める
  • 第三者に勉強をみてもらおうと考えインターネットで検索してジャンプにたどり着く

体験指導前の面談で母、生徒に今までの学習スタイルについてヒアリングしました。その塾では「新演習」というテキストを用いて授業をしていたのですが、塾の授業ではテキストの「基本問題」を習い、宿題で「練習問題」が課されると母親が説明してくれました。その瞬間、謎が解けました。これは個別塾などでもよく見受けられる「授業内容と宿題内容の乖離」です。

宿題が難しい

授業で扱う基本問題とは基礎レベルの問題であるのに対し、宿題で出させる練習問題は基礎レベルより難しい標準レベルの問題だったり少しパターンの異なる問題だったりするのです。やる気に充ち満ちていて見たことない問題でも果敢にチャレンジできる生徒ならそれで良いのですが、覚えてもすぐ忘れてしまうような特性を持つ生徒に、覚えていないどころかやってもいないパターンの問題を宿題に出してしまう。これでは家で一人で出来るわけがありません。しかし親はその単元名だけを見て、

「なんで習ってるはずなのにこんなに出来ないんだ?」

と憤りを感じながら子供と向き合っていたのです。これではお互い感情的になってうまくいくわけがありません。このように親が介入することで更に自信をなくしていく負のスパイラルに陥っているご家庭が数多く存在します。

どうして宿題が出来ない?

「どうして塾で一度習っているのに宿題が出来ないのか」という疑問を母親は抱きます。どうしてだろう、なぜなんだ、と悩み、親は様々な理由を探ります。K君のお母さんは「発達障害ゆえに忘れやすいからだ」と結論付けていました。(発達障害だから忘れやすい?→コラム「ワーキングメモリと勉強」「WISCの数値と勉強法」も是非ごらんください)

そこで私は目の前にいるK君に宿題の標準問題を指さしながら「Kくん、この問題って塾でやり方教わったかなあ?」と優しーく質問を投げかけました。どういう答えが返ってくるのか、私もお母さんも生徒をジッと見つめ本人の言葉を待ちます。すると、「やったような気もするしやってない気もする」と正直な回答が出てきました。その瞬間お母さんは「真面目に答えなさい!」と本人に怒り始めたのですが、ここは本人いたって真面目に答えているわけでお母さんの反応は間違っています。お母さん自身が「発達障害だから忘れやすい」と思っているはずなのにそこを責めるというのも少し違うのですが、問題の本質はそこではありません。

生徒に「宿題の意義」を理解させていない塾の担当講師の「宿題の中身の選別」と「宿題の指示の仕方」こそが問題なのです。ここで前述の「授業内容と宿題内容のレベルの乖離」について説明をしました。

私はお母さんにこう言いました。「お母さん、K君は今、本音を私に言ってくれていますよ。先ほどお話した通りです。基本問題で少し触れたことがあるので見たことはある。けれどパターンが全く異なるので、やったような気にもなるしやっていない気にもなるわけです。実際はやっていないんですよ。これはK君が悪いわけじゃないんです。大手塾でも個別塾でもよくあることです。発達障害は関係ないですよ。じゃあ何が問題か、わかりますか?」
お母さんは「宿題が難しいから、ですか?」と答えてくれました。

「宿題が難しい」

そうです。大正解です。「ではなぜ宿題が難しい、とK君やお母さんは思ってしまうのでしょうか。難しい宿題を家でお母さんが四苦八苦しながら必死で教えているわけです。なぜそうなっているのですか?」と私は尋ねます。お母さん「うちの子が、、」「違います!お子さんのせいではないんです!その宿題を出した教師のせいなんですよ!そもそも宿題とは何なのか、生徒にその本質を理解させていない塾側の責任なんです。」と語る私をK君はまるでヒーローが現れたかのように見つめています。そしてここから、お母さんにいくつかの選択をしてもらうことになります。

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塾の宿題を母親、家庭教師が教える?

宿題が難しくて一人で出来ず困っているK君。それは本人の理解不足や忘れやすさが原因ではなく、宿題を出す側の教師の責任だったと考えを改める母親。そんなお母さんへ今後どうすれば良いのか、いくつかの選択を投げかけました。

  1. 親がなんとか頑張って教えていく
  2. 塾の宿題のフォローを家庭教師にお願いする
  3. 塾に宿題の内容を本人に合ったレベルに変更してもらう
  4. その他

世間全体でみると、①のように母親が塾のテキストを参考にしながら子に勉強を教えているケース、これがかなりの割合を占めます。しかし低学年の頃ならまだしも、5年生6年生あたりになってくると「思春期」「反抗期」といった兆候が見え始める時期になります。自立への第一歩を踏み出そうとするこの時期に勉強に関して親が干渉すると、お互い感情的になって何の成果も得られないという結末を迎えます。「中学受験の勉強」=「学校以外にも勉強をしている」と考えると、子供なりに自分の力で何かに取り組もうとしている行為にあたるわけで、その行為を認めたうえで接すべきところを「低学年の頃は素直に教えることが出来たのに、今は子供も反抗的な態度を取るし、教えているこっちがイライラしてしまう。」と逆方向に行ってしまうわけです。

4つの選択肢

母親も①の選択は既に経験済みなので②と③について検討を始めます。母からは「塾の費用だけで毎月何万円もかかっており、そのうえで更に家庭教師の費用となると経済的に厳しい。塾に宿題内容を変えて欲しいと要望を出すのもうまく言える自信がない」という言葉が返ってきました。

私は「②については授業で扱っていない、本人が自力で解けない宿題をフォローするということは、つまりその問題を一から解説していくということですから、フォローではなく別授業を行うことになります。そうなるとお母さんが仰るように費用面だけ負担増になってしまい塾に行かせている意味も半減します。③も、本来は塾で習った問題と同じパターンを繰り返し練習させるような内容の宿題をやらせるべきですが、仮にお母さんが内容変更を訴えたとしても大学生バイトの教師がそれを改善できるかというと非常に難しいと思います」と母に話しました。つまり②も③も選択肢としては最善ではない、ということになります。

そこで選択肢④の登場です。

塾をやめる決断(中学受験まで1年)

選択肢④。それは

「本人が自力で解けない問題を宿題に出さず、教えた問題と同じパターンの類題だけを繰り返すことのできる宿題だけを出してくれる」ような教師を探す。

ということです。そして、宿題とは「難しいと思うようなもの」ではなく、「一度は理解できた問題をさらに繰り返し練習することで自信を深めていくためにやるもの」だという認識を生徒本人に上手に伝えることが出来る教師に出会うことです。宿題の中身の選別と指示の仕方をダイナミックに変化させることのできる教師にK君の勉強への意識を変えてもらうしか方法はないのです。

要するに選択肢④とは、塾を辞めて我々プロに任せるということになります。選択肢を投げかけることで、最初はなんとなく塾が合っていない、プロの家庭教師ならどんなものかしら、と漠然と家庭教師を検討していた母にも、なぜ塾だとダメで家庭教師なら良くなるのか、仕組みを理解してもらえることができました。

そしてここからは具体的な指導方針についての話と移行していきます。いかんせん入試まで1年もないわけで、じゃあ新演習を基礎からじっくりやっていこうか、などと悠長に構えている時間もないわけです。そこでまずやるべきこと、それは

  1. K君の今の学力チェック
  2. 志望校の入試問題分析

となります。自分の今の学力と、合格するために必要な学力との差がどのくらいあるのか。そしてその差を限られた時間で埋めていくためにはどのような学習計画が必要になるのか。学習計画とはすなわちいつまでにどの単元をどのようにクリアすべきなのかを月単位、週単位でプランニングしていくことです。

学力チェック(中学受験まで7か月)

受験まで残り7カ月から果たして志望校合格が可能なのか。それを実現するにあたり欠かせないことが前回述べた①今の学力チェックと②志望校の問題分析となります。

①今の学力チェック

塾に通っている生徒さんの場合、直近で受けた模試などがあればそれも当然活用することになります。K君の場合も外部模試などを受けていたので参考資料として預かりました。あくまで参考、と表現したのは模試の問題とK君が志望する学校の入試問題とは難易度も異なれば出る分野も異なるからです。

例えば国語で文学史が出題されて失点したとします。志望校の過去問で過去に文学史が全く出題されていなければその失点はさほど気にする必要はありません。逆にことわざ、慣用句が毎年出題されていて模試でも失点していれば要注意となります。どんな種類の問題を間違ったのかを分析する、という点において模試のデータは役立ちます。しかし一方で、例えば算数だと「計算の途中式はどうやって書いているのだろう」「これは面積図を用いたのだろうか、それとも線分図?あるいは、、、」など、細かい解き方の手順までは把握はできません。

そういった途中の形跡、つまり生徒さんの考え方を確認するため、ジャンプでは算数と国語で「苦手単元確認テスト」(通称「苦単」)というものを生徒さんに自力でやってもらいます。この苦手単元確認テストはいくつかルールがあります。K君にも以下を書き記しながら説明をしました。

そして、「期日までに提出すること」です。
K君の特徴として、

ということをお聞きしたので、

「わからないところはドンドン飛ばして、出来そうな問題だけをやってみようね。ほら、この問題は難しそうだけど次のこの問題なんかはどう?そうだよね!少し出来そうだよね!じゃあこっちは飛ばしてこっちだけやればいいんだよ。それと点数出して良い悪いをみるテストではないから出来ない問題ばかりだったとしても全然気にすることはないからね。あと、答えが合っているかどうかは先生達は気にしないんだ。途中計算をどういうふうにやっているのかを教えてほしくてこのテストをやってもらいたいから、この紙に途中式を書いていこうよ」

と補足し、本人も納得してくれました。この苦単と以前受けた模試の結果の二点を1週間後に郵送してもらうようお願いします。ちなみに苦単にはいわゆる中学受験入試の基礎問題が並んでいます。算数だと「計算」「文章題」「図形」、国語だと「漢字」「ことば」「説明文」「物語文」など、幅広い分野からまんべんなく出題されております。郵送で届き次第、担当教師が添削をすることになります。

発達障害でも伸びる体験授業

志望校の入試問題分析

K君の志望校は日大系列の某有名中学。偏差値でいうと40〜42あたりに位置しています。残り約7か月で得点力を上げるためにどのようなプランを立てるかが非常に重要となります。K君の模試の判定は5年生冬の段階ではB判定でしたが、6年の夏前でD判定に下がっていました。お母さんは「こういう文章題が、本当にうちの子苦手なんです。出来るようになりますか?」と模試の算数の問題を見せてくれました。ご紹介します。

A君1人ですると35日かかる仕事を、B君1人ですると25日かかります。この仕事を、A君から始めてA君とB君が一日ずつ交代でやることにしました。仕事が終わるのは、仕事を始めてから何日目ですか?

いわゆる「仕事算」の「発展問題」です。私は塾で使っていたテキストの該当分野のK君ノートを見せてもらいました。そこには仕事算の例題を少し解いた跡がありましたが、赤でみっちりと正解を写して書いて終了していました。宿題では基本問題を飛ばして応用問題が出されていたようですがそこは当然空白になっています。

ここで二つのことを母に話しました。一つは、基礎の理解が定着出来ていない段階でこのような応用問題を正解することは困難であること。もう一つは、そもそも目指している中学の入試問題に、このような仕事算の発展問題が出題されたことなど一度もない、ということ。つまり、解けるようになる必要がない、ということです。百聞は一見にしかず、同じ仕事算で過去問がどのようなレベルの問題になっているのかを過去問を見せながら紹介しました。

ある仕事を完成させるのに、A君は20日間、B君は30日間、C君は36日間かかります。3人がいっしょに仕事をしたら、何日間かかるでしょう?

こちらは仕事算の「基本問題」です。さきほどのK君ノートにあった塾テキストの例題レベルです。この仕事算の基本レベルが、志望校の問題には二年に1回ペースで出題されています。すなわち50%の確率で出題されるわけですから、確実に解けるようにしておかなくてはならない種類の問題といえます。例題レベルの問題を出来ないまま放置し、出る可能性の極めて低い「発展問題」を模試で正解出来なくて悩んでいること自体ナンセンスなんだ、という私の訴えを母も受け入れてくれました。

志望校合格に向けたカリキュラムを作成するうえで、①の「学力チェック」と合わせて、このような②の「入試問題分析」も欠かせないことがおわかりいただけたでしょうか。どの単元からどのくらいの頻度で出題されているか、その難易度はどの程度か、という入試傾向を把握することで、これから入試までどういう問題を練習していけばいいのかが見えてくるわけです。

目標得点の設定

現状の学力を「苦単」で測り、「入試問題分析」で傾向を把握する。学習計画を作成するにあたり他に必要なことは、「指導回数の決定」と「指導単元の決定」です。回数については夏休みや冬休みがこれから先に待ち構えているため、「長期休みの臨時指導」により若干増やすことはできますが、まずは基本週1回ペースでやっていくことにしました。指導科目は算数と国語です。理科と社会は模試の偏差値がボーダーやや上あたりにいるため日常の学習管理をメインとし、算国を強化していこうということです。

入試は4科受験で申し込みます。そして次に「指導単元の決定」です。どの単元(問題)にどのくらいの回数を設定するかは、非常に重要なポイントとなってきます。7月に入ってK君から苦単が届き、なんとか夏休み前にスタートができるような態勢になりました。4科で300点満点(算数100点、国語100点、理科50点、社会50点)。例年100点から130点あたりが合格最低得点となっているので半分の150点取ることができれば十分に合格できます。

志望校の目標点数

K君の場合、国語の偏差値がかなり低く、35から38を推移していました。届いた苦単も国語の読解問題が記号選択式で少し正解がある程度で記述に至っては全て空白。点数で考えると国語で半分の50点を獲得するのはかなり厳しいと判断し、35点を目標に設定、その代わり算数については目標を60点に設定しました。

算数で6割。苦単では算数も計算問題でとても複雑なやり方をしてしまってミスを連発していたり、基本的な一行問題も(塾で応用ばかりやらされていたため)全くトンチンカンな解き方をしてしまっています。ここから6割を目指す。それは果たして可能なのだろうか。

落とせない問題

算数で6割の得点を目指すためには、「絶対に落とせない問題」と「解けなくても構わない問題」の両極を決めておく必要があります。(”コラム:中学受験算数「計算ミス」は致命傷”も是非お読みください)

K君の志望校に関していえば、大問が6〜7つある中で、1(計算問題)と2(一行問題)が「絶対に落とせない問題」となります。ここだけで実は一問4〜5点、合計で40点〜50点もの配点になっているのです。後半の「平面、立体図形」「割合と比」「統計、表とグラフ」といった応用問題も配点は一つ5点になっているため、比較的難易度の低いそれぞれのカッコ1の問題で4〜5問得点できれば目標に到達できる算段です。

逆に「解けなくても構わない問題」とは、それら応用問題のカッコ2や3です。本番でもそこに時間を取られすぎず、最初の計算問題や一行問題でいかに正確に解答していけるかが勝敗の鍵を握ることになります。

ここで注意しなければならないのが、前に触れた「仕事算」同様、計算問題も入試レベルに特化した指導に徹底するということです。日々の練習も当然そうなってきます。例えば計算問題に毎年「還元算」が出題されていますが、全て基礎レベルになっています。市販や塾のテキストなどで「還元算」の問題を開いてみると、小数や分数の混じった複雑な還元算の問題が多数見られます。それらの問題にチャレンジして正解できるようになることも計算力をつけるためには必要なことかもしれません。

しかし、K君にとって必要なことは計算力をつけることではなく、入試に「受かる」こと。出ない問題を出来るようにすることよりも、出る問題をそれこそ100回やって100回正解出来るようにすることのほうが何百倍も大切なのです。

IMG_5113

画像にあるような偏差値が60を超える中学、50を超える中学の難しい問題をやる必要性は「時間のあるなし関係なく」「ない」わけです。(画像にあるSSとは、スタンダード・スコア、すなわち偏差値のことです)

(志望校レベルに合わせた問題についての話はコラム「レベル別攻略」にても詳しく紹介しております)

「発達障害×中学受験」関連コラム

私立中学受験に関する4つのコラムを抜粋しました。ぜひご覧ください。

「発達障害×中学受験」体験授業

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