図形の指導方法(発達障害)

2020.9.5
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簡単?クリップ

小学校の算数、中学校の数学では各学年のどこかで必ず図形の単元を学習します。この図形ですが、子供全体で見ると算数の中でも取組みやすいと感じる子が多いようで、生徒さんに「図形と計算どっちが簡単?」と質問すると、「図形!だってめんどくさくないもん!」という返事をよく聞きます。図形は簡単でめんどくさくないので取り組みやすいというイメージを保護者の方も持っているようです。私も図形は教えやすい分野だと考えていました。

 

しかし、色々な生徒さんを担当する中で、図形の指導は実は非常に難しいものだと感じるようになりました。

特に視覚認知や聴覚認知、ワーキングメモリー、処理速度といった認知機能に偏りがあるような発達障害周辺の子供たちにとっては、図形が一番苦手というケースがむしろ多いような気がします。

 

(指導例)

中学3年生の夏から高校受験対策で担当したK君は、計算問題は非常に得意で理解も早く、因数分解やルートの複雑な計算なども教えるとすらすら解けるようになりました。

一方、図形の問題は苦手意識をもっており、計算問題と同じように教えても角度を求めるといった小学校の内容でさえ苦戦していました。

 

同じ数学のはずなのに、K君の中で計算分野と図形分野でいったい何が違ったのでしょうか。中学3年生の夏から高校受験の対策指導を行っていたK君は、計算問題は高校入試の過去問レベルでもすらすら解けるようになりましたが、図形の問題は基礎的な問題でも苦戦していました。なぜ図形の問題に苦戦していたのかその原因についてお話します。

私たちの指導では最初に解き方の見本を見せ、そのあとに生徒さんにその解き方を真似してもらい類題を解いてもらいます。

K君も計算問題の場合はすらすらと真似できていたのですが、図形の問題になると急に真似ができなくなってしまいました。この原因は、問題のパターンが少し変わるだけで図形と式の対応ができていなかったことでした。

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例えばこの写真のような角度の問題では線の向きは変わっていますが、「あ」の角度と「う」の角度はどちらも180-○という式で求めることができます。K君も180-○の式を使うことはできていました。しかし、その180という数字が何を表しているのか向きが変わるだけでわからなくなり、わからないまま計算を進めてしまっていました。

図形の問題では公式に数字を当てはめるだけではなく、その数字が何を表しているのか問題ごとに考えなければなりません。ところがK君は問題のパターンが変わるとこの図形と式の対応ができなくなっていました。

ではこういった図形の問題を解くためにどのように解決したのか、続いてはその方法についてお話します。

 

K君は図形の問題を解く時に意味を考えずに公式を使っていたため、図形と式に出てくる数字の対応ができていませんでした。

計算問題の場合、数字が変わるだけなので公式に当てはめる数字を変えるだけで答えを出すことができます。しかし図形の問題の場合、形や向きが問題によって変わるので計算している数字が何なのか理解していないと答えを出すことはできません。そこで、図形の問題を解く時に注目して欲しい部分に「キーワード」を用いてチェックすることにしました。

まず最初に用いたキーワードは「かまぼこ」です。かまぼこといえばほとんどの人はピンクで半円の形をしたものを思い浮かべると思います。そのイメージをそのまま実際の問題にも書き込んでもらいました。

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K君!図形の問題の時にはこんな風にかまぼこを探してみよう!かまぼこっていうのは180°なんだ!だから計算するときにも180っていう数字が出てくるんだね!」というように180という数字の意味を視覚的にチェックできるようにしました。すると向きや形が変わった時にも「かまぼこ」を使ってうまく図と式を対応させられるようになりました。

図形が苦手な生徒さんでも、印象に残る「かまぼこ」というキーワードを用いて注目する部分を強調することでうまく問題に取り組むことができるようになりました。

 

他にも、360度だと満月、45度だといちょう、といったキーワードを使って視覚的に見るイメージで教えていくと、角度を探す問題が好きになったのか、毎日やりたい!と言ってくれるようになりました。

ワードは毎回生徒によって響くものがないか変えていますが、キーワードとイメージ次第で劇的に解けるようになる子供もいる、ということは是非知ってもらいたいなと思います。

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