集中を妨げるもの(発達障害)

2020.8.7
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ねりけしクリップ

発達障害やグレーゾーンに位置する子供たちは、目の前の問題を解くことにに集中するのがなかなか難しかったりします。

周囲に何も置いていない机で勉強をしていたとしても、そこには最低限の「鉛筆」「ノート」「消しゴム」「問題集」が置いてあります。鉛筆が2本あるだけで、今はどっちの鉛筆を使おうか、独自のルールやこだわりで選んだりします。問題を1問解くごとに鉛筆を変えたりします。鉛筆じゃなくてシャーペンを使おうものなら、「ポキッ」「ポキッ」と1分間で何度も芯を折ってしまったり、カチカチカチカチノックを続けてしまいます。

 

生徒さんが10人いれば10人それぞれに独自のこだわりかたがあったりします。

 

順番や配置、ルーティーンなどのこだわりが強かったり、視覚的な情報や聴覚的な情報に過敏すぎるため注意が散漫になりがちだったり、本当に人それぞれです。

そんな子供たちに、いかにして落ち着いて問題に向き合ってもらえるか。

頭ごなしに「これはやっちゃダメ」「あれもダメ」と言うとたちまち授業は崩壊の危機を迎えるわけですから、教える側もそのあたりの特性を配慮した向き合い方、接し方、話し方をする必要があります。

今回はそのなかの「消しゴム」にまつわるエピソードをご紹介させていただきます。

 

 

〜けしかす〜

 

以前担当していた小学生の生徒さんのお母様から「うちの子消しかすを集めるのがクセなんです。やらせておいて大丈夫ですか?」と相談を受けました。話を聞くとその生徒さんは家でも学校でも消しゴムから出た消しかすを使って「ねりけし」を作っていたようでした。

 

「ねりけし」という響き。懐かしいですね。私も小学生の頃に一生懸命けしかすを集めて作った記憶があります。男の子であれば必ず1度はやったことがあるかと思います(女の子はあまり興味がないのでしょうか?)。実際にこれまで私が指導を担当してきた小学生の男の子は、ほぼ全員1度はねりけし作りにはまっていた時期があったようです。中には巨大ねりけしを作り、それをお母様に捨てられ大泣きした生徒さんもいたくらいです(笑)

 

そんな笑い話はさておき、実は発達障害をもつ生徒さんの場合、このねりけし作りには少し注意が必要です。発達障害をもつ生徒さんは優先順位を考えるのが苦手なことがあり、一度ねりけしに興味が向いてしまうと学校の授業中に先生の話を聞いていない、ノートを書かないなど勉強に弊害が出てしまうことがあります。この相談を受けた生徒さんも私の授業中、算数の問題を解いている途中でけしかすに興味が向いてしまい、計算の途中にも関わらずねりけし作りに集中してしまうことがありました。

 

ねりけしを作ること自体は悪いことではありません。今回の生徒さんの場合は優先順位をつけられないことが問題でした。もしねりけしを作ることを禁止してしまうと、生徒は好きなことを禁止され勉強に対する意欲を失う可能性があります。そこで、ねりけしを作ること自体は否定せず、優先順位を身に付けてもらう指導を行いました。

 

 

〜ねりけし〜

実際にねりけしを作る子にどのように対応したか紹介します。

 

まず最初に生徒さんとねりけし作りについてルールを決めることにしました。その生徒さんと決めたルールは
①こちらが指定した部分まで勉強が終わったらねりけしを作る時間にする
②プリントを解いている途中にけしかすが出たら1ヶ所に集める
という2つです。ただし、けしかすを集めるのが手間になってしまっては意味がないので、けしかすの集め方を工夫しました。生徒さんの横で私が箱を持って待機します。その箱をけしかす入れとして、生徒さんにはけしかすがで出たら机の上から払ってもらい、その払ったけしかすを私が箱でキャッチするという方法です。この方法であれば生徒さんはただ机の上から払うだけでけしかすを集めることができます。最初はこのルールに渋々応じていましたが、けしかすを集める→プリントを終わらせる→ねりけしを作るという順番を徹底することで少しずつ勉強の途中ではねりけしを作らなくなりました。

授業に集中していないとついやめなさい、あとにしなさいと注意してしまいがちです。しかしルールを決めて順番に行動してもらうことで、自然に優先順位を身につけてもらうことができました。

 

以上、「消しゴム」にまつわるエピソードでした。

 

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