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先輩教師の声:教務部教務二課課長

教師の評価と
指導の質

社員を評価する難しさ

「正社員で家庭教師」というのは非常に珍しい仕事です。ジャンプではアルバイト教師を派遣していた時期もあり、そこから100%正社員に切り替えていったのですが、参考にできる前例が世の中にないため、その過程では様々な問題に直面しました。その1つが社員の人事評価システムの構築です。正社員家庭教師の評価として分かりやすいのは、その教師が担当する指導の月謝総額と総売上ですが、それだけでは計れない会社への貢献度もあります。例えば、担当する生徒がそれほど多くなく平均的な売上だったとしても、生徒への親身な指導、ご家庭への分かりやすいアドバイスなど、真摯な対応ができていればジャンプへのイメージアップに繋がり、様々な良いことを生み出してくれます。実際に教師の指導が良かったと感じてくれた方がジャンプを知人に紹介し、その後に入会というような事例は年間で何件もあります。「正社員家庭教師の評価は売上という量的なものだけではなく、指導の質でもされるべき。」ということはわかっていましたが、実際にどのようにするのが適切なのかは手探りのまま、しばらくは評価のしやすい月謝総額を評価基準とする時期が続きました。

社員を評価する仕事

業務の「質」が
結果に現れることを知る

指導の質を数値化するのはとても難しい。ですが、正社員教師を幾度となく派遣していくことで、データの蓄積からわかってきたことがありました。それは、指導に満足しているご家庭ほど長く継続してもらえることと、受講している科目の成績が上向きになるほど月の規定回数以上の指導を追加してもらえること。そこで現在では、売上プラス担当顧客の「継続月数」と「追加授業時間」を加えた3つの大きな柱で社員評価を行うシステムに変更しています。もちろん現在の評価システムで完成形とは思っていません。各社員がご家庭で行なっている「業務(指導)」を実際に見て評価することは難しいので、今後も指導の質が表れる数値を探し、良い社員がしっかりと評価される仕組み作りを進めていきたいと考えています。

記憶に残る指導

プロ家庭教師の指導は基本的に1対1で行うので、1人1人に合わせた指導をすることができます。集団型の授業と違って1人に対して指導をするため、良くも悪くも教師が生徒へ与える影響は大きく、それがやりがいでもあり難しいところでもあります。だからこそ私たちは責任感を持って仕事に取り組まなければなりません。振り返ってみると、順調に学習が進んだ生徒よりも「あの時こうしていればもっと違う結果になったのではないか」と思える生徒の方が強く記憶に残っています。

記憶に残る指導

私が以前に担当したS君は、私立の中高一貫校に通う生徒でした。S君が徐々に学校の進度についていけなくなってきたため、中学2年生の秋頃に私が指導を担当することになりました。学校で学習する内容は既に高校範囲になっていて、通常よりも進度が速く毎週出される課題も多く、それをこなすのに精一杯になってしまっている状態で、入会前の定期テストでは30点台しか取れずにいました。学習面以外でも、人間関係・友人関係でうまくいかない部分もありました。勉強についていけなくなってきたことで自信を喪失し、友達に劣等感を持つようになり、人と上手くコミュニケーションが取れなくなってしまったのです。

S君は中学受験を経験していたため学習の飲み込みはよく、まずは自信を少しでも取り戻せるように定期テストの点数アップを目標に学習を進めていきました。つまずきの原因の1つは、自学での復習ができないこと。高校内容の数学の教科書では途中式が省かれている箇所もあり、自分1人ではなぜこのような式や計算になっているのかがわからずにつまずいていました。そこで、計算過程を授業で細かく説明し、指導で説明した内容をまとめたノートをこちらで自作して渡すことで、S君が1人で復習する時に困らないようにしました。指導と復習のサイクルを繰り返し、何とか次のテスト範囲を終わらせることができため、基本的な問題は理解できている状態でテストに臨むことができると思っていました。ところが…

S君の自信喪失
そして予期せぬ展開に

テストが返却された直後、いつも通りS君の部屋に入ると見るからに浮かない顔をしています。その時点で「ああ、テストが良くなかったんだな…」と予想がつきました。テストを見せてもらうと50点に少し届かないくらいで、前回のテストよりはアップしていましたが、計算の方法が誤っていた箇所があり、その部分をまとめて落としてしまっていました。テスト直後の本人の手ごたえとしては、久しぶりにテストがちゃんと解けたという達成感もり「もっと得点出来ていた」と感じていたようです。そうは言っても点数はアップしていたので「ミスしてしまったのは残念だけど、少しでも点数は上がったんだからこの調子で次も頑張っていこうよ!」と励ましの言葉もかけました。しかし私の励ましも、S君の自信回復にはつながりませんでした。

生徒の自信回復にはつながらなかった

タイミングの悪いことにその1週間後に彼の先天的な持病が悪化し、そこから1ヶ月間ほど入院を余儀なくされ、学校も私の指導も休みとなりました。退院していざ復帰となったときに、S君は「1ヶ月間休んだことで、もう学校の勉強についていくことはできない。」と考えて不登校になってしまいました。不登校になってからも学校の授業内容を想定し、私が学習をサポートしていたのですが、登校を再開する気持ちにはなれず、在籍していた一貫校の系列高校には進まず通信制高校の進学を選択することになりました。S君のターニングポイントとなったあのテストの時にしっかりと見直しのやり方まで指導できていたら…。もっと直前に演習問題を幅広くできていたら、自信を取り戻すことができて退院後も学校に復帰できていたのではないか…。そういった後悔と自責の念は今でも残っています。

後悔と自責の念は今でも残っている

後悔を残さない指導と
その大切さ

それでもS君は、環境が変わったことで通信制高校の学習を前向きに取り組んでくれました。学校に通えなかった間も高校の学習内容は私が指導していたので、学習面で苦労することは少なくなっていました。また、通信制とは言っても通学するコースだったのでクラスで同学年の友達もでき、S君は中学校の時よりも毎日を楽しく過ごせるようになりました。そして、学習に前向きに取り組めるようになったおかげで、最終的には推薦で4年制大学への合格を勝ち取ることができました。中学2年生から約5年間担当し色々なことがありましたが、1度のテストの結果がその後に大きく影響を与える可能性があるということ強く感じました。決して油断していたわけではなかったのですが、S君との経験は「後悔しないように日々の指導を行なっていくこと」の大切さを痛感させてくれました。

後悔しないように日々の指導を行なっていくこと

PROFILE

2006入社。プロ家庭教師として指導を担当しつつ、首都圏のエリアマネージャーとして社員のマネージメントを行う。また、新卒・中途入社の採用業務、人事制度の企画・運用も担当する。

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