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物理脳クリップマーク

タイプ別理系診断~物理学的理系~(受験対策)

2020.7.27

このコラムの目次



物理学の特徴と数学との違い


今回は物理学的理系の思考や性格について考えてみます。

前回(文理選択~タイプ別理系診断~数学的理系)は数学について考えていきましたが、実は物理学も数学と似ている点が何点もあります。ですので物理学と数学の違いについて触れながら、まずは物理学がどのような学問であるか考えていきましょう。

物理学のイメージ

 

学問としての物理学の特徴は、大きく分けて3つです。

1.私たちの目の前で起きている物理現象について考える学問
2.数学(数式)を用いるということ
3.机上論で終わらず実験によって証明する

1つ目について、物理学では今私たちの目の前で起きている現象が『なぜ』起きているのかを考えています。

一番有名な話は、ニュートンのリンゴですよね。普通の人であれば、目の前の木からリンゴが落ちても『おいしそうだな』とか『もうリンゴの季節なのか』くらいしか思いません。でもニュートンは違いました。

『リンゴが落ちた…だと…?じゃあ月も落ちてくるんじゃ…ハッ!マズイ、伏せっ…?!…ふぅ~、落ちてこなかったか…ん?なんでリンゴは落ちるのに、月は落ちてこないんだ?』

目の前で起きているのに説明できなんて、腹が立つ!イライラする!これが物理学的思考。だから物理学はこんな現象を見逃しません。そんな探求心が功を奏し、『全てものは引き合い、その大きさは距離の二乗に反比例する』という万有引力の法則が発見され、

『地球がリンゴを引っ張っているから』

という説明ができるようになりました。

物理学のイメージとしては

「フン…現実世界とはなかなか面白いところだな…気に入った!我が力でその全てを露にしてくれるわっ‼щ(゜□゜щ)」

という感じです。数学はわがままな小学生のようでしたが、物理学は拗らせた中学生のようですね。物理を苦手とする女子生徒さんは多いですが、それは物理学特有のノリに着いていけないからかもしれません。

 

また、物理学と数学の違いをもっとも明確に表すのがこの2つ目と3つ目です。

物理学では数学を用いることが多いです。物理学の証明において、数学ほど便利な道具はありません。しかし、物理学の証明には実験を伴います。

なぜなら、数学は『理想』で語られるのに対し、物理学は『現実』で語られるからです。

例えば、重力はF=mg(m:質量、g:重力加速度)という式で表されることが知られています。これは昔の物理学者が正確に実験を行った結果『重力は質量に比例する』ということがわかったからです。ですが『重力は質量に比例する』か実験前は分からないわけですから、証明する必要がありますよね?何度も何度も実験を行い『現実』でこうなったから正しいという証明を行うわけです。

これが数学なら『重力は質量に比例すると仮定すると』という『理想』の1文が加えられて終わりです。ただの仮定ですから、証明する必要はありません。このように数学は『もしこうなら』という『理想』で考えていますが、物理学は『本当にそうなっているか』を『現実』で実験して確認しなければならないわけです。『我が思考が正しいことを見せてくれるわっ‼(ノ`△´)ノ』これも物理学という学問が持つ特徴の1つです。

どうでしょうか?物理学は数学と似ているところもあるため、性格や思考も似ているところがあります。しかし実際は違いがいくつかありますので具体的に考えていきましょう。


物理学的理系の思考や性格


さきほど、物理学が『数学と似ていること』と『机上論で終わらず、実験を行うこと』をご紹介しました。これらのことから、物理学的理系の思考や性格を探っていきます。

今回も数学の時(文理選択~タイプ別理系診断~数学的理系)と同様に

「問題にぶち当たったときにどう対処するか」

という観点から考えてみましょう。比較しやすいように、今回も中学で初めて方程式を学ぶときに「2x=6を解け」という問題が出てきたとします。さて、どうしますか?

物理学的理系の人たちも、教科書・ノートを見返します。数学的理系の人と変わりませんね(笑)

見返す内容もほぼ同じです。

「ふむふむ、方程式とは変数を含むような等式のことを言い、方程式を解くとは等号関係が成り立つときの変数を求めることを言うわけか!ん?そもそも2xってどういう意味だったか…前の単元も見返して…あぁ、そうそう。2×xのかけ算×を省略した形が2xだったな。つまり『2×何か=6』の何かを求めればいいわけだ!よって…6÷2だな!」

という感じで見返します。では何が違うのでしょうか。それはこの後です。

「…ということは『ー2x=6』なら『x=ー3』か?
似たような問題で確認して…
おっ『ー4x=8』ならあったか。
これなら『x=ー2』だな。
どれ、答えは…
ふっ、やはり『x=ー2』で合っていたか!
ならさっきの『ー2x=6』も『x=ー3』でよさそうだな。
OK、理解した!」

ここが数学的理系と物理学的理系の違いです。

物理学には実験を伴います。勉強においての実験とは、問題演習です。物理学的理系の人は、理解した内容が本当に正しいかを別の問題で試したり、何問か問題を解いて確認したりします。

 

数学的理系は『理解すること(=自分が納得すること)』に重点を置きますが、物理学的理系は『理解すること(=問題が解けること)』に重点を置きます。

似ていますが、ちょっと違いますね。なので、理解の仕方も少々異なります。先程の方程式を例にとれば、数学的理系は最終的には『両辺をxの前の数で割る』ぐらいの非常にシンプルな理解の仕方をしますが、物理学的理系は『両辺をxの前の数で割る。例えば2x=6なら両辺を2で割り、x=3』というように、シンプルながらも問題が解けることまで視野に入れた理解の仕方をするわけです。

物理学的理系と数学的理系は似ていますから、問題集の好みも同じです。繰り返し解くような厚いドリル形式の物より、問題が厳選された薄い問題集の方が好みです。

数学的理系は『理解したもの(=自分が納得したもの)』をまた解くことに苦痛を感じますが、物理学的理系は『理解したもの(=解けたもの)』をまた解くことに苦痛を感じます。なので数学的理系はテスト前に間違っていた問題でも書かずに見て確認するだけでしたが、物理学的理系なら間違っていた問題ぐらいはもう一度書いて確認します。このためテスト勉強時間は普通かちょっと短いくらいですが、テストの点数は数学的理系よりも高くなることが多いでしょう。トップクラスの点数を取りながらも勉強時間がそれほど多くない人は、物理学の才能アリかもしれませんね。

物理学的理系の特徴を一言で言えば『半完璧主義者』です。

納得できないのは嫌です。だから、自分が納得できるまで追求します。問題が解けないのは嫌です。だから、間違えた問題はもう一度確認します。でもメンドクサイので、8割方合ってれば良しとします。勉強は嫌いではありません。5時間でも10時間でも、義務感ではなく、楽しみながらやることができます。ただし、気が向いたときだけです。宿題はちゃんとやります。ただ、好きではありません。だから、提出日ギリギリにやったり、答えを写したりすることもあります。かなりの凝り性です。興味があることに対する凝り方は尋常じゃありません。ゲームなんかは5時間10時間ぶっ通しでやり続けたりします。しかも毎日。やり込み要素なんかは大好きです。飽きることはありませんが、終わると今までが嘘のように急激に熱が冷めます。トップを狙いたいわけではなく、自分が納得できるところまでいけば十分です。

変なところで中途半端ですね。やることはやるけど、差が激しいという感じでしょうか。ただ、行動原理はいたってシンプルです。自分が決めたことはやり通したい、人から決められたことはやりたくはないということです。

ホントに思春期の中学生のようですね。数学的理系の『やりたいからやる』よりは成長していますが、自分が納得できないものに対する反発心はまだまだ高いです。ですが、自分が決めたことをやり通すというのはなかなか出来ることではありません。しかも、義務感からではなく興味から。物理学的理系もやはり、この愚直で純粋な感情を持ち続けているんですね。

勉強に対して深く考え、追及していくことが物理学的理系の特徴と言えるかもしれません。

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